椅子に掛けたままの哲平に覆い被さるような不自然な格好で、深いキスを与えられる。
「好きだよ」
「・・・言ってろ」
吐息で何度も囁かれ、恥ずかしさについつい天の邪鬼な言葉が返る。
「なんでそう素直じゃないかなぁ。一回くらい『好きだ』って言ってくれてもいいんじゃない?」
呆れた声で応じるものの、本気は入っていない。
「ばーか。哲平の分際で。十年早いって言ったろ」
「じゃあ、十年後、楽しみにしててよ。俺、いい男になってるからさ。その時は『好き』って言葉だけじゃ言い表せないくらい、沙成のこと惚れさせてみせるよ」
「・・・。楽しみにしてるよ」
本音を言えばとっくに『好き』だけで気持ちは言い表せなくなっているのだが、この大言壮語を吐くお子様に言ってやるのも悔しい。
お子様・・・。
その言葉に引っかかるものを感じて、沙成は、哲平の腕の中で思いを巡らせた。
「好きだよ」
「・・・言ってろ」
吐息で何度も囁かれ、恥ずかしさについつい天の邪鬼な言葉が返る。
「なんでそう素直じゃないかなぁ。一回くらい『好きだ』って言ってくれてもいいんじゃない?」
呆れた声で応じるものの、本気は入っていない。
「ばーか。哲平の分際で。十年早いって言ったろ」
「じゃあ、十年後、楽しみにしててよ。俺、いい男になってるからさ。その時は『好き』って言葉だけじゃ言い表せないくらい、沙成のこと惚れさせてみせるよ」
「・・・。楽しみにしてるよ」
本音を言えばとっくに『好き』だけで気持ちは言い表せなくなっているのだが、この大言壮語を吐くお子様に言ってやるのも悔しい。
お子様・・・。
その言葉に引っかかるものを感じて、沙成は、哲平の腕の中で思いを巡らせた。



