冬のロマンス

アルバイトと言うほどではないが、時々哲平はウエストで臨時店員をする事がある。絵画に対して造詣はないのだが、梱包したり、会計をしたりそれくらいの事ならば十分に役に立つからだ。
 「それって、一日中俺と居たかったってこと?」
「ーなんでそうやって自分の都合のいいように考えるんだよっ」
真っ赤になって抗議したって、威力はない。図星だと白状しているようなものだ。
 哲平はシャンパンを口に含みつくづくと呟いた。
「・・・今カメラ持ってたらよかったなぁ」
「なんだよ、薮から棒に」
「だって、今の沙成めちゃくちゃ可愛かったよ。撮りたかったなぁ」