瑠璃は髪櫛を静かに枕元に置いた。 形にこだわらなくても良い。 母上からの気持ちを大切に することに形は関係ない。 割れてしまっても、 気持ちは変わらないのだから・・ 母上は今、何処にいるのだろうか。 何をしているのだろうか。 私のことを覚えているのだろうか。 幼い頃の思い出が鮮明に思いだされる。 ふと、涙が瞳を揺らしているのに気付く。 こんなことでは久羅奈家当主は務まらない・・。 寂しい気持ちを振り切るように 瑠璃は深い眠りに落ちていった。