「世哉、何があったのですか。」 千代がなだめる様に話しかける。 「いえ、特注書に不都合があったものですから」 ろうそくを持っている反対の手に何か キラリ、と光るものが見えた。 瑠璃は世哉に詰め寄ると、その手から世哉が握りしめているものを取り上げた。 それは瑠璃がいつも使用している、お気に入りの髪櫛だった。 キラキラと綺麗な輝きを放つ髪櫛は ・・無残に真っ二つに割れていた。