食事を口に運んでいると、ふと廊下に人影が映ったのが見えた。 誰かいるのか? 食事のときは千代が横にいる限り、周りに人はいないはずだ。 ふと箸をおき、戸を開ける。 廊下を見渡すと、瑠璃の部屋へとつながる廊下に世哉が曲がろうとしているのが見えた。 急いでいるのか、妙に歩くのが早い。 「瑠璃様?」 不思議そうに千代が訊ねてくる。 「いや・・食事はもういい。部屋に戻る」 「宜しいのですか?あまり召し上がられていないようですが」 瑠璃は急いで世哉のあとを追い、自室へと戻った。