大部屋には既に仕え人のほとんどが 来ていた。 瑠璃が部屋に入ると揃って、 頭を下げるのだった。 すぐに大部屋には全員が集まり、 瑠璃の隣に座った千代を中心として 移譲式は進められた。 瑠璃が移譲式に参加したのは 今までに1度だけで、その頃はまだ ほんの小さな子供で どのようなものだったか覚えていない。 「では、移譲式を始めます。」 その1言で部屋の雰囲気は一気に 重たくなった。 物音一つしない。