「瑠璃様、申し訳ございません。 しかし、移譲式の決定は私独断で 行うことができますので」 瑠璃様、瑠璃様。 瑠璃様のご命令どおりに。 ────久羅奈家の当主。 どんなに自由を制限されても、 どんなにこの家に縛られても、 結局は私の気持ちも考えも関係ない。 久羅奈家の家文が絶対。 「・・そうだな、皆を集めろ。 移譲式をとり行う。」 不服そうな小場も、戸惑う幸も、千代も 瑠璃の言葉に皆が動いた。