「では、瑠璃様。
誓文立てを行ってもよろしいでしょうか」
千代は琥珀に誓文を渡すと机へと促した。
「その前に、幸。あなたはこの部屋から
出て行かなければなりませんよ。」
「は、はい!申し訳ありません」
幸は慌てて部屋を出て行った。
瑠璃と琥珀が向かい合った形で座ったことを
確認すると、千代はゆっくりと誓文を読み上げ始めた。
「汝、佐野琥珀は久羅奈に忠誠を誓ひ、
久羅奈の誓文におひては如何なることにも
従ふことを認める」
千代はゆっくりと顔を上げると
琥珀の目を見据えた。
琥珀色の目がきらりと
日の光に反射される。
その目が瑠璃の目を捉えた。
「我、久羅奈に忠誠を誓う」
そしてはっきりとした声で琥珀は久羅奈家の忠誠を誓った。