「今日からこちらの者に守護格として
仕えて頂くことになりました。」
千代の後ろに立っていた男が
前に出て深々と頭を下げた。
「佐野琥珀と申します。今日から久羅奈家に仕えさせて頂くことになりました。宜しくお願い致します。」
その男の目は名前の通り、琥珀色に輝いていた。
瑠璃よりも少し背の高い男は、
緊張のせいか体が少し震えている。
「顔をあげてもよい」
頭を下げたまま動かない琥珀に瑠璃は声をかけた。
「佐野と言ったな、今日から宜しく頼む。」
「は、はい!よろしくお願いします」
勢いよく答えた琥珀の声は部屋に響き渡った。

