屋敷に戻ると別屋敷につながる廊下に
小場が辺りを見渡して立っていた。
「小場さま、瑠璃様がお戻りになられました」
「あぁ、瑠璃様。お探ししましたよ。
今、千代が面談している最中ですので
どうぞ、お部屋でお待ちください」
瑠璃は隣の部屋で待機していた。
「幸、新しい仕え人はどんな者か
知っておるか?」
「いえ、千代さんに聞いても
教えて下さらないので。」
「そうか。
幸、もう私は1人で大丈夫だ、
戻って良いぞ。」
「お一人にさせる訳にはいきません」
予想はしていたが、
いつも傍に誰かが居るのは
気が重い。
間もなく部屋の外から千代の声が聞こえてきた。
「瑠璃様、お待たせしました。
入ってもよろしいでしょうか」
「・・ああ。」
実際に面談を受けても不採用の場合が多い。
今回の仕え人は採用されたのだろうか。
すうっと部屋のふすまが開けられ、
千代が部屋に入ってきた。
その後ろから若い男が1人続いて入ってくる。

