車内はシーンとしている。


誰も言葉を発しようとしない。



チリン



鈴の音が聞こえた。



ウチはその音がする方を見た。



富恵が呆然と外を見ながら前沙紀から貰ったキーホルダーをいじっていた。



そのキーホルダーについてる鈴の音だった。




よく見ると目が誰よりも充血している。



見てて痛々しかった。



遊「…空港見えたぞ」



遊志が静かに言った。



夕「本当だ…」



裕「…これでアメリカ行けるな」



すると遊志が車を止めた。


遊「ちっ……なんとなく予想してたけど……ゾンビだらけだ」



瞳「えっ!?」



見ると空港の周りは数えきれない程のゾンビで溢れかえっていた。



夕「どーすんの?このままじゃ…」



淳「この量だと……。いくら大きくてセキュリティがなってる成田空港でも……奴等の侵入を許してると考えて良いでしょう…」



瞳「そんな…」



涼「でも…諦めるわけにはいかない。なにか…なにか方法があるはずだ…」



また車内がシーンとなる。


裕「んー…俺には全然浮かばねぇなぁ…。やっぱこーゆーのは頭の良い宇佐美兄弟に任せるべきだな」



遊「お前な…少しは考えろよ」



裕「これでも一生懸命やってます〜」



遊「あっそう…。まぁ、お前には悪い事したからなうん」



そう遊志はボソッと言った。


裕「えっ?何が?」


遊「イヤ、なんでもない」


裕「?」



裕大はきょとんとしていた。