涼「…富恵…行こう。熊坂さんの分まで…生き延びないと…」



涼が控えめに言った。


宏「………」



宏之は動かない。



裕「宏之…行こう。くまちゃんが…お前のそんな姿…望んでると思うか…?」



裕大が静かに言った。




宏「…そう…だよな……。」



宏之は立ち上がって自分の着ていたブレザーを沙紀の上に被せた。



宏「今は…これで我慢してな……ちゃんと迎えに…行くからな…ありがと…俺も…大好きだよ…」



残された人の言葉程…聞いてて辛い物はない



その人が大切なら大切な程…失えば辛い



それでも生きていかなければいけない



悲しみを乗り越えて…



沙紀の死はこれから起こるだろう悲劇の1つにしか過ぎない



こうしてウチ等は大切な仲間1人失って高速道路を後にした…