涼「本当に?」


涼くんはウチの顔を覗き込んだ。


うっ…そんな見つめられたら顔に出ちゃう…



瞳「うん…ちょっと夢見悪かっただけだから…」



ウチは精一杯自分の気持ちを出さないようにそう言った。



涼「嫌な夢でも見たの?」


瞳「嫌なっていうか…変な夢。だから、大丈夫だよ」


なんか…大事な事を忘れてる気がする…



そんな風に感じる夢だった。




考えてもその『何か』は思い出せないけど…



でも、所詮夢だしさっきの夢の話をする気にもなれなかった。



涼「そっか…なら良いけど…俺で良かったら相談してね?」



瞳「うん。ありがとう」



涼「……あのさ、瞳ちゃん」



瞳「何?」



ウチが聞き返すと涼くんは真っ直ぐ前を向いた。



あっ…横顔もカッコイイな…



そう思って見てると涼くんがこっちを向いたので慌てて目を反らした。



涼「瞳ちゃんの事…ひ…瞳って…呼んでもい?」



瞳「えっ?」



また見ると涼くんは顔が真っ赤になっていた。