その時だった。



ピー…ガガッ



変な音がした。



み「!」



みみが急に飛び起きてリビングの方へ走って行った。


裕「?みみ?」



裕大もその後を追い掛けた。


…もしかしたらゾンビだろうか…。



寝室に緊張が走った。



すると裕大と戻ってきたみみの手に何かがあった。



涼「携帯用ラジオ?」



み「しっ」



多分この町全体がバイオハザードになっている筈だからラジオが流れてるのは何かの情報が聴ける事だ。電気もまだ点いてるがいつダメになるか分からない。




耳を澄ませると声が聴こえてきた。



『ピー…ガガッ…生存者に告ぐ日本はもう安全な場所ではない。しかも…ガガッ日本だけではなく隣の韓国や中国にまで被害が及んでいる。これ以上の被害が及ぶ前にとりあえずここ日本は鎖国する事になった。生存者は成田空港に避難せよ。そこでまだ安全なアメリカに行く。そこに飛行機がある。だが、明日から5日間しか飛行機は飛ばさない。くれぐれも間に合うように。無事を祈る。繰り返す、生存者に…』




そこからは同じ内容が流れるだけだった。



沙「成田って…。ここからかなり遠いじゃない」



ウチらが住んでるのは東北地方。



そこから新幹線もなしに5日で千葉の成田空港まで行かなければならない。



宏「でも、行かないと俺らずっと化物と一緒ッスよ」


裕「しゃーない…頑張って行くしかねーな」



み「うん」



夕「そうだね」



遊「上等だ。頑張って成田まで行ってやろうじゃねーか」



涼「皆で生き残ろう」



皆が前向きに向き合っているなかウチと淳志くんは黙っていた。



淳志くんはさっきから下を向いているので表情は分からないがきっと不安なんだろう。



ウチも凄く不安だった。