真「どうかしたか?」


祐「いや、少し気になる所があって…」


真「気になる所?」


真田の言葉に祐騎は頷いた。


祐「6年前、奴が私と流架に実験した時と…研究所で会った時の奴…あまり変わってなかった気がするんですよ」


祐騎は親指を唇に当てて言った。


真「外見の事か?」


祐「はい」


真「しかし、大人ならそんなに変わらないんじゃないか?それに、うろ覚えだからじゃないか?」


祐「いや、本当に変わってなかったんですよ。あいつの顔は…嫌って程、覚えてますよ…。私と流架は…」

祐騎はぎゅうと腕を掴んだ。


真「そうか…」


祐「まぁ、よくは分かりましたけど…少なくとも老けてはいませんでした。6年も経ってるのに…」


真「奴にも寄生虫がいたんだろう?その影響かもな。だが…奴は死んだ。もうそんな心配しなくていい」


真田が上を向いた。


祐「…そうですね」


祐騎は目を瞑って答えた。

真「大丈夫。乗り越えられるさ。…あの2人…デビルとエンジェルの様…にね」

祐「です…ね」


2人は窓を見た。


相変わらずの青空が続いている。


この空が、曇ったり雨が降るように人生も壁にぶち当たってしまったりしてしまう日が必ず来るだろう。


乗り越えるのは大変だ。


だが、この青空のようにいつかは乗り越えて解決出来る日は来る。


明けない夜はない。


止まない雨はない。


出口のないトンネルなんかない。


生きてさえ入れば…