―数日後―


ウチと涼は流架さんの病室を訪れた。


流「やぁ、瞳ちゃんに涼くん。体調はどう?」


流架さんは本を片手にニコッと笑った。


頭にも腕にも包帯をしていた。


瞳「あっ、ウチ等は良いです」


涼「流架さんは?」


流「俺は大丈夫。そんな大した怪我じゃなかったからね。ただ…祐騎がね」


流架さんは読んでいた本にしおりを挟んだ。


涼「やっぱり…酷いんですか?」


流「うん…。折れた肋骨が、肺とか他の臓器にも刺さってたらしくて…。今はだいぶ良いらしいんだけど…」


流架は心配そうに言った。

涼「……」


涼はつい黙ってしまった。

自分のせいだと感じているからだ。


そんな涼に流架は慌てて言った。


流「あっ、別に涼くんを責めてるわけじゃないんだよ?涼くんは悪くないんだから。大体、祐騎が悪いんだよ。あそこでJを挑発するから―…」


そう言った流架の頭を誰かが叩いた。


「誰が悪いって、誰が」


瞳「ゆ…」


そこにたっていたのは…


涼「祐騎さん!」
流「祐騎!」


祐騎だった。


瞳「た…立ち歩いて大丈夫なんですか!?」


身体中に包帯を巻いていて、腕には点滴がされていた。


祐「大丈夫だって。ったく…ちょっと怪我したぐれぇで大袈裟なんだよ」


ドアの所に寄りかかりながら祐騎は言った。


そしてポケットから煙草を出して吸い始めた。