今、由李を支えているのはもう右手だけだ。


J「助け合おうとか、言いながらいざ自分が危険に晒されると平気で裏切る…所詮そんな綺麗事、全部嘘なんだよ。それに…俺はもう人間じゃない。例えそんな気持ちが本当にあったとしても理解しようとも思わない」


由「なんで……。いたっ!」


もう右手にも力が入らない。


落ちるのも時間の問題だ。


J「さぁ、そろそろ死んでくれるかな?君だって邪魔な人間の1人なんだから。彼なら…ちゃんと面倒みてあげるよ。ちゃんと…ね。今度こそ、さようなら」


ガッ


Jが足を離したのと同時に由李の手がフェンスから離れた。


由「っ…!」


手を伸ばしても、もう何も掴めない。


なんで…


あの人はあんな風になってしまったのだろう。


その疑問ばかりが頭を過る。


何故か今は落ちるスピードが遅く感じた。


神様、お願いします…


淳志が…あの人に利用されないようにして下さい…。

そう祈った。


そして、スピードは元に戻り由李は遥か下の地面に叩きつけられた。

――――

J「さて、そろそろ行こうか」


たった今、人を殺したのにそんな素振りも見せずにJは言った。


ゼ「…………」


ゼロは暫くフェンスの方を見ていた。


J「ゼロ。何してるんだい?行くよ。それとも…人間の頃を思い出した?」


Jが挑発するように聞いた。


それでも、ゼロは表情1つ変えないで


ゼ「……いや。なんでもない」


と言いJの方に歩いて行った。


J「うん。それでいいんだよ…ゼロ」


Jはそう言って、ゼロと校舎の中に戻って行った。