由「今、なんて……」


私は、驚きを隠せなかった。


今のが聞き間違えでなかったら、この人は恐ろしい一言を満面の…子供のような笑顔で言ってる事になる。

でも、聞き間違えではなかった。


J「だから、未来の為に死んでほしいんだよね」


由「冗談…でしょう?」


そう言ったが表情が全く変わらない。


それが冗談でない事を物語っていた。


J「いいでしょ?…いずれにしろすぐに死ぬんだからさ」


由「!な…んで知って……。それより…未来の…為にって…私と何が関係…」


J「クス…」


ゾッ…


寒気がした。


逃げないと……


殺される…!


正直言って死ぬのは怖くない。


でも、まだ私にはやり残した事がある。


淳志に…伝えなきゃいけない事が沢山あるんだ…。


ちらっとその人の後ろの扉を見た。


扉は幸い開きっぱなしで、しかもその男以外誰も居なさそうだった。


私は後退りしながら後ろの扉に行くチャンスを伺った。


でも…誰も居ないと思っていた事が誤算だった。


もう一歩下がろうとした瞬間誰かに肩を掴まれた。


ガシッ


由「えっ!?」


そこに居たのは髪の白い黄色い瞳の、恐らく私より少し年上であろう人が立っていた。


ゼロだった。


嘘!?


さっきまで…誰も居なかったのに…!


J「クス…」


パチンッ


前にいる人が指を鳴らした。


グイッ


由「!?」


すると肩を掴んだ人がまるで軽い物を持つかのように片手で軽々と私の首を掴んで持ち上げた。


幸い指には力が入っていないのか、呼吸は楽に出来た。


しかし、その人は私を窒息死させたかったわけではなかったようだったようで無表情のまま歩き出した。


そう…屋上のフェンスの方へ。