「悪くない」なんて言ったらきっと非難がくるだろう。

でも、俺はそう思う。


淳志は少し道を見失ってしまっただけなんだ。


ただ…大切なものを守ろうとしただけ。


遊「淳志。今…伊坂が大変な事になってんのは知ってるよな?」


淳志はコクッと頷いた。


遊「もう元に戻らないのか?」


俺は緊張しながら聞いた。

淳「…みみさんの時は……もう感染とヒドラを投与してから24時間以上経過してたから…手遅れだったけど……。伊坂さんは5〜6時間前にウィルスとヒドラ投与されちばかりだしヒドラもまだ完全な成虫にはなってないし…何より耐性があるデビルから…もしかしたら…なんとかなるかもしれない……」


夕「本当!?」


淳「可能性は…あると思います」


遊「頼む、淳志。伊坂を…伊坂を助けてやってくれ!佐野の為にも…力を貸してくれ!」


俺はそう言った。


淳志は暫く赤く腫れた目で俺を見ていた。


淳「……俺に…償うチャンスを…くれるの…?」


遊「…あぁ。だから、一緒に行こう。早く…早くこの戦いを終わらせる為に」


夕「そうだね。ただ…償うチャンスって変だよ、淳志くん。夕花はさっきも言ったように淳志くんの事、怒ってないし恨んでもないよ。でも…お願い。伊坂くんを助けてあげて」


夕花はそう言ってペコッと頭を下げた。


淳「そんな頭、下げなきゃいけないのは俺ですよ。いくら夕花さんがそう言ってくれても…他の人はそうはいかないと思いますし。だから、お願いします。俺に償わせて下さい。…これだけで…償えるとは思ってませんけど…それでも…やらせて下さい」


夕「淳志くん…。分かった」


淳「ありがとうございます」


遊「よし、じゃあ行こう。これ以上…犠牲者を出す前に!」


夕「うん!」


淳志が俺の横を通り過ぎた時に俺は声をかけた。


遊「淳志」


淳「?」


淳志が振り向く。


遊「……おかえり」


淳「!…ただ…いま。ただいま、兄さん」


俺と淳志は久々に笑いあった。