淳「あ…あ………」


ガクッ


淳志は膝を着いた。


シュウ……


右手が元の姿に戻る。



ポタッ、ポタッ……


手から滴り落ちる鉄の匂いがする赤い雫。


それは逃れる事の出来ない罪の証。


淳「お…れは…なんて事を……!」


由李の事を分かってなかったのは…俺の方だった。


こんな事…誰も望んでいない筈なのに……。


気付けなかった。


闇が深すぎて……光に気付けなかった。


赦して貰えるわけがない。

ポタッ


淳志の目から透明な雫が落ち、赤い水と交わった。


深紅の血が少し薄まる。


遊「今からでも…遅くはない。もう、罪は犯しちまったけど…戻れなくはない。だから…戻って来いよ。淳志」


淳「えっ……?」


夕「そうだよ、淳志くん。戻っておいでよ」


遊志と夕花が優しくそう言った。


その言葉に淳志は顔を上げた。


淳「な…んで…?俺は…俺は夕花さんの友達を…2人も殺したんですよ…?赦してなんて…言えない…!」

淳志の問いかけに一瞬顔が強ばったがすぐに元の戻る。


夕「…確かに…あの2人が死んじゃったのは凄く寂しくて凄く悲しくて…凄く辛い。でも……気付いてるじゃない。淳志くん。自分の過ちに…。気付いてるじゃない。だから…確かに正直モヤモヤしてるし、すぐには受け止められないかもしれないけど、淳志くんには戻って来て欲しい。それが、今の夕花の正直な気持ち」


淳「………!」


遊「そうだぜ、淳志。人は誰でも失敗する。取り返しのつかない事だってしちまう事がある。でも、だから人間なんだ。失敗しない奴なんか居ない。その時に…反省して学ぶ事が大切なんだぜ」


「まぁ、富恵と大野は殴りかかってくるかもしれねぇけどな」と続けた。


なんで…?


なんで、こんな馬鹿な俺に優しくしてくれんだ…?


淳「うっ……」


淳志は左腕で目を押さえた。


それでも、透明な雫は流れ落ち、赤い水を薄めていく。


それはまるで、罪を少しずつ浄化しているみたいだった……。