夕「そんなっ!」


遊「なっ…!?お前…まさか…!?」


淳「そうだよ…俺の体には…もう、あの寄生虫が入ってる。因みにね……俺の中に居るのはクイーンの改良版で「支配型」の寄生虫だよ。Jはゼロ・キメラにクイーンを入れたって言ってたけど…正確にはクイーンより1つ下の寄生虫を入れたんだ。支配型の寄生虫は他の寄生虫とは違くて意識はそのまま保てるんだ。その最初の試作品が俺の中に居る。…まぁ、副作用で吐血とか喘息に似た咳が出ちゃうけどね…」


「だから、あの時、地下で倒れたんだ。まぁ、お陰でこっちに戻る口実が出来たけど」と付け足した。


夕「それって……体に悪いんじゃ…?」


淳「もちろんそうですよ……。もう、だいぶボロボロになってきましたからね」

確かに淳志はこの2年で体重も落ちて、体の内部からボロボロになってきていた。


遊「そこまでして…そこまでして復讐したいのかっ!?」


淳「そうだよ。それだけの為にここまで生きてきたんだ」


遊「だったら…ほっとくわけいかねぇな」


カチャッ


遊志はポケットから銃を取り出した。


淳「…そんなもの出してどうするの?俺と戦う気?」

遊「あぁ。こうなったら…ぶん殴ってでも、目を覚まさせてやるよ」


「夕花!下がってろ!」遊志の言葉に夕花は黙って頷いた。


淳「ふふ…兄さん忘れたの?兄さん…喧嘩で俺に勝った事ないじゃないか。ましてや、今の俺は普通の人間じゃないんだよ?さっきも言った通りいくら兄さんでも邪魔するなら容赦しない」


遊「構わねぇよ。そろそろ本気出してお前と喧嘩してやろうと思ってたからな…!」


淳「クス…負けて死んでも…後悔しないでよ」


こうして2人の兄弟の一生で一度の大喧嘩が始まった。