遊「どういう意味―…」


淳「兄さんは覚えてる?…2年前のあの事件の事……」

ピクッ


遊志は込めていた拳の力をを抜いた。


遊「……由李(ユリ)の事…か?」


夕「由李ちゃんって……確か淳志くんが昔、付き合ってた…?」


淳「そう……2年前まで一緒に居た…俺が1番、愛した人…」


淳志は耳を触った。


右耳についてるのはアメジストで作ってある三日月を型どった、間に薄いピンクのダイヤがついてるピアスと左耳には間にハートがついているピアス。


ダイヤは淳志、ハートは由李がつけていた…世界にたった1つしかない2人だけのピアス。


淳「…由李は凄く優しい子だった……。病弱で、よく病院に居たけど…明るくていつも、笑顔だった…。母さんが死んで体を壊して、入院してる時…たまたま隣になった由李が落ち込んで俺を励ましてくれた……。笑ってる方が幸せになるんだよって言って…。将来は小説家になりたいと…そう言ってる由李の笑顔が大好きだった……でも…!」


ギリッ…


淳志の拳に力がはいった。

遊「! まさかお前っ…!?」


遊志はハッとした。


淳「あぁ、そうだよ!俺は、こんな腐った…醜い世界を壊してやりたかったんだ!由李を…由李を殺した奴等が居るこんな世界なんか!」


いつもは温厚な淳志が声を荒げて叫んだ。