?「……始まったか」


ある研究員が隣の小実験室で呟いた。


ドカァン!


?「!?」


側の壁が壊れた。


遊「ぐ……いってぇ…」


思いきりうちつけられて、遊志はすぐには動けなかった。


遊「っ…」


それでも、なんとか起き出した。


遊「ここは…小実験室…か…?」


辺りを見渡して、この部屋に居る人物に気付く。


砂ぼこりで顔は分からない。


遊「誰だ!?」


ガチャッと銃を構える。


「……」


そいつは何も答えない。


その内、砂ぼこりはおさまってきて顔が見えた。


遊「!…っ…。やっぱ…お前だったのか……!」


その顔を見て遊志は苦痛に顔を歪めた。


そこに居た人物は…


遊「淳志!」


あの時死んだ筈の淳志だった。


白衣を着ていた。


淳「兄さん…」


淳志が呟く。


夕「ダーリン平気―……えっ!?あ…淳志くん!?」


走ってきた夕花も驚いた。

遊「っ…。出来れば…出来れば嘘であって欲しかった…!お前が…スパイだったなんてな!」


淳「……」


そう言われても淳志は否定しない。


…それは肯定の意味だ。


遊「なんでだ!なんで、熊坂と堀北を殺した!」


夕「えっ!?」


遊志の口からとんでもない事が飛び出した。