カシャン


手に力が入らず通信機を落とした。


裕「ハァ…ゲホッ…」


ガクッ


俺は膝をついた。


…本当、よくここまでもったよ……。


体が冷たくなる感覚が俺を襲う。


…もう1つやる事がある。

俺はなるべくみみの側に行ってから辺りを見渡して、そこにあるはずの物を探した。


裕「あっ…た…」


それは監視カメラ。


多分、Jがそこからずっと見てたはずだ。


俺は最後の力を振り絞ってこう言ってやった。


裕「はっ…どう…だ…J。勝ってやったぜ…。どんなに…強い体にして支配…したってな……完全に…人にをコントロール…出来るもんじゃ…ねーんだよ…!人には…な……“心”があんだよ…!心…があっから…こんな醜い…心のねぇ…化物…なんかより……人の方がつえーんだよ…!教えといてやる…!せ…いぜ…い参考…にしや…がれ……」


ニッと笑って監視カメラを指差して俺はバタッと倒れた。


ドサッ…ビチャッ


自分の血の上に倒れたので水音がした。


もの凄く眠い……。


あぁ、意外に死ぬのって…辛いもんじゃねぇんだな……。


みみ……


俺は、もうほぼ動かない体を首だけほんの少し動かしてみみを見た。


俺も行く…からな……。


もう1人にさせ…ない…から……。


俺は頬を緩ませてからそのまま暗闇…でも、嫌な暗闇じゃない暗闇に意識を手放した…………。



バイオハザード 6日目


5人目の犠牲者


大野 裕大


17歳


みみとの戦闘時に触手に負わされた傷からの出血による出血多量の為、死亡。