瞳「えっ…?」


祐「どういう事だ?」


裕「俺…致命傷になる傷おっちゃって……正直ここまでもったのが奇跡なんだよね……」


今も腹から夥しい出血をおこしてる。


出血多量で命の灯火が消えるのも時間の問題だ。


裕「ゴメンな。無理しないって…約束…したのに…」

ふらふらしながら裕大は言った。


裕「でも…後悔はしてないよ……。やっと…やっと救えたから…ゲホッ…」


ピチャッ…


裕大の立ってる場所に赤い水溜まりが出来てた。


残された時間は後わずか。

夕「大野くん……」


裕「…悪いけど…先行ってるわ…。みみ達も居る…し…な……」


流「裕大くん……。よく頑張ったね……」


裕「アハハ……。そんな事…ねぇよ…。るーちゃんと祐騎っち……。皆を頼んだ……よ…」


祐「…あぁ。任せろ」


流「うん……」


2人はそれだけ言った。


裕「宇佐美は…夕花ちゃんをちゃんと…守れよ…?後、ちびって言って…ゴメン」


遊「当たり前だろ。ったく…ちびのお返し出来なかったじゃねぇかよ…バカ」


遊志は静かにそう言った。

裕「夕花ちゃん…多分宇佐美は無理するタイプだから…支えてやってな?」


夕「うん…分かった…」


夕花は小さな声だったがしっかりそう言った。


裕「後、瞳ちゃん……。涼ちゃん……助けてやって……。多分瞳ちゃんにしか…出来ない事だから……」


裕大の声が弱々しくなってきてるのを感じながら瞳は頷いた。


瞳「うん……。分かった…分かったよ…」


裕「さんきゅ…。じゃあ………行けよ…。俺も…そろそろきついわ…」


そう言って通信を切ろうとした瞬間、瞳は叫んだ。


瞳「大野!うち…ちゃんと涼助けるよ…!だから……」


裕大はその言葉を聞いて通信機の先で笑いながら


裕「おぅ…。じゃあ…またな…!」


そう言った。


それが瞳達が聞いた裕大の最後の言葉だった。


ブツン…


通信が切れた。