裕「マジ…かよ…それ」


みみはコクッと頷いた。


裕「…分かった。伝える…」


み「ありが…とう…。…これ…で…間に合う…かも…しれない……。すぐ死ななくて良かった…。今は…このウィルスに…感謝だね……」


そう言って笑っているが、少しずつ弱っていくみみ。

俺は体を起こすと倒れてたみみを抱き起こして、そのまま強く抱き締めてやった。


み「ゆ…うだい…駄目…だよ…移っちゃ……」


裕「それ…は、今更だろ…?」


み「…ゴメンね…」


裕「いいってば…。それより…なんか久しぶりにみみに勝てた…気がする」


俺は昔の事を思い出していた。


みみと初めて会った時の事。


裕「最初…ぼっこぼこにやられたもんなぁ、俺…」


み「そ…ういえば…そう…だね……。高校に…入学してすぐ…裕大が…僕にちびだなって言ってきて……僕が怒ったんだよね…」


裕「そうそう。んで、ボコボコにやられた。あん時はマジでビックリした。アレ?俺、ボクシングやってたよな?って」


み「ふふ……。その…後もよく喧嘩した…ね。でも…僕が…やってた…合気道とかって…身長関係ない…からね…。中々…裕大で…も…勝てなかった…もんね…。昔の…僕が…裕大と付き合ってるって知ったら……きっと驚くだろうな…」


裕「それは…俺もだと思う。1年くらいしてやっと1回勝って…それで告白した…んだよな」


み「うん……。ビックリしたけど…嬉し…かった…。…裕大…?」


裕「何…?」


弱っていく心音を感じながら俺は返事をした。