もう目も普通の色に戻っていた。


通常なら胸に撃った傷は致命傷だが、ウィルスの影響なのかまだ命を繋ぎ止めててくれていた。


み「ハァ……ゴ…メン…ね……」


裕「えっ…?」


唐突過ぎてなんの事だか分からなかったが、次の一言で分かった。


み「ぼ…くのせいで……そんな酷い傷……ゴメン…ね…」


つぅと涙が頬を伝った。


…やっぱり、本物だ…。


バカだな…お前の方が酷い目にあってんのに…俺なんかの心配して…。


俺は微かに笑って言った。

裕「…バーカ…。こんくらい…平気だよ…。それより……俺こそ…ゴメンな…。目とか頭とか…女の子なのに顔狙っちゃったし…胸にだって…穴…開けちゃったし…。痛い…よな?」


俺がそう言うと首を左右に振った。


み「ううん…。大丈夫……。痛い事より…苦しかった…から……」


胸の部分に手をあてる。


み「無…理矢理ね…意識…を抑え…られて…る方が……きつかった…んだ……。ずっと…床に…押さえ付けられて……皆が…僕自身の…手で傷つくのを…見せられて…た…から…」


裕「み…み…」


意識を抑え込まれた事がないから分からないが、相当強い力で押さえ付けられていたのだろう。


それを思うと辛かった。


み「ねぇ…裕…大…?」


裕「んっ…?」


み「何…か…他の…皆と連絡…とれる…もの…持って…る…?」


裕「えっ…?あるよ」


俺は足につけてたポーチの中から通信機を出して見せてあげた。


み「良かった…。お願い裕…大…伝…えてこの事を……伝え…て…」


みみは最後の力を振り絞って、真実を教えてくれた。