裕「う…ぐ…!」


触手は完全に体を貫通している。


ギリギリで急所は外してるがその衝撃で気を失いそうだ。


裕「ゲホッ!」


ピチャッ…血を大量に吐き出す。


ヤバい…!


もう目の前まで来てるのに…力が…!


必死に左手に持っていたコルトパイソンを構えようとするが中々上手くいかない。


その時、みみの手が俺の左手を掴んだ。


裕「しまった…!」


そう思ったが胸の寄生虫の本体らしき物が出てる所まで銃を動かしてピタッと止めた。


俺は驚いてみみを見た。


裕「!?」


みみが笑ってる。


そして微かに…


み「う…っ…て…」


裕「え…?」


み「撃っ…て……」


と言った。


みみは最後の力を振り絞って寄生虫の力を押さえつけているようだった。


俺はその言葉を聞いて目を大きくさせてから歯を食いしばり引金を引いた。


――――パァン!


その時の銃声だけやけに響いたような気がした……。

み「ぐ…!?」


グラァ…!


みみが倒れたのと同時に体に刺さっていた触手が抜け、そこから血が溢れ出した。


ズルゥ…ブシュッ…


そして、撃たれた寄生虫の本体らしきやつがみみの体から出てきて少し遠くに落ちた。


ドサッ ビチャッ!


俺はなんとか、その寄生虫の場所まで歩いて行った。