そうか……。


まだ、みみは完全に消えてしまったわけじゃないんだ…。


中に居るんだ……。


体と意識を完全に乗っ取られてしまってるが、まだ完全に消えてしまったわけではないんだ…。


嫌なのに皆や裕大を傷付けてしまい、その光景を止める事も出来ずにただ見せられているんだ…。


この涙は本物のみみの涙。

みみの悲しみ苦しみが詰まっている…涙。


みみが苦しんでるのに…俺、諦めてた?


ずっと苦しんでるのに…


このまま死ぬ俺は良い。


でも…みみはこれからも苦しみ続けなければならない。


なのに…何もしないで死のうとしてた…?


みみに助けられておきながら…助けずに見捨てようとした?


何の為にここに残ったんだよ……!


しっかりしろ!


みみを救わないで…死ねるか!


ググッ!


俺は動かない体を無理矢理動かした。


み「!?」


涙を拭くのに夢中になっていた、寄生虫が構えたのと同時に予備のハンドガンを取り出して左手で撃った。

ドカンッ ドカンッ ドカンッ!


今度は目にも撃った。


み「ッ!」


怯んだ隙に寄生虫に蹴りを入れて倒し、落ちてた銃を拾い、弾切れになったハンドガンを捨てて物陰まで走った。


その後ろに触手が迫ってきてたが、間一髪で物陰までいけた。


ドカンッ!ドカンッ!


あたりにみみは攻撃している。


裕「はぁ…はっ…ゲホッ」

裕大は息を整えながらポーチにあった閃光弾と、しまっていたコルトパイソンを取り出した。


チャンスは1回…


もし失敗すれば、救えずに殺される…。


そんなの…絶対に嫌だ。


俺は深呼吸をした。