裕「あ゙あぁぁ…!」


叫ぶ裕大に対しみみは無表情でその様子を見ていた。

ガクッ


俺は床に伏した。


む…りだ…


瞬時にそう思った。


体中痛くて堪らない。


右手も、段々感覚がなくなってきている。


…もうダメだ。


隻腕で戦える程、みみは弱くない。


無理だ…


もう動けない……


もう戦えない……


立ち上がる事すら出来ない。


このまま……殺される。


くそ…結局救えないのかよ……。


命を諦めたその時、顔に何かの雫が頬に触れた。


そして、そのまま裕大の頬を伝って口の所にきた。


…?


しょ…っぱい…?


その雫はしょっぱかった。

なんとか頭を上げると…その光景に俺は目を大きくさせた。


みみが…泣いていた。


それをみみ…いや、今、みみの体を乗っ取っている寄生虫が目から落ちてくる雫を不思議そうに手で受け取って見てた。


裕「み…み…?」


ぼろぼろ涙が溢れてる。


寄生虫がその涙の鬱陶しそうに乱暴に目を擦って止めようとしていた。