瞳「大丈夫…だよね?」


瞳は夕花に話し掛けた。


夕「だ…大丈夫だよ!大野くん、強いし!」


瞳「そう…だよね」


瞳は固く閉ざされた扉を振り返った。


―――――――

さぁ…どうする…?


俺は動けずにいた。


足につけた祐騎から貰ったポーチを触る。


“無理はするな”…か……。


ゴメン…多分俺、無理する。


みみを置いて途中で逃げ出すなんて…出来ない。


今のみみに記憶も理性もないのは分かってる。


だから無事ではいられないしきっとここで死ぬと思う。


でも…これが俺の出した結論。


バカな俺が思いついたバカな事。


それでも……助けてやりたい。


それが俺が今、1番望む事。


裕「…絶対助けてやるからな。行くぞ みみ!」


「うおおぉー!」と叫びながら裕大はみみに突っ込んだ。


みみは相変わらず冷たい目で背中から生えた触手で裕大に襲った。


鞭のようにしなる触手を次々と避ける。


何回か戦っている内に触手の動きを見切っていた。


もう、みみの間近まで来てる。


裕「うらぁぁ!」


パンッ パンッ!


全く動かないみみに頭と心臓の部分を撃った。


グラァとみみはふらついた。


やったか!?


そう思ったが…


バシッ!


強烈な一撃が肩に入った。