遊「なっ…」


裕大以外の全員が驚いた。

祐「バカな事を言うな!お前自分で何を言ってるか分かってるのか!?」


裕「そんなの…そんなの分かってるよ」


少し目を伏せながらそう答えた。


祐「いいか!?アレはもうお前が知ってるみみじゃな―」


祐「それでも!俺にとってはみみなんだよ!姿が変わってても…!名前を呼んでも反応してくれなくても…!みみなんだよ!それに、祐騎っちはるーちゃん守らないとだろ?」


祐「しかし、お前1人置いていくわけには…」


裕「約束したんだ!みみに…必ず守るって!」


裕大は拳に力をこめた。


裕「俺はあいつを守ると言った!先に死んだ友達にもそう誓った!なのに…なのに…俺は守れなかった…守るどころが逆に守られた……。だから、今度は俺があいつを助ける番なんだよ!」


そう決して揺るぐ事のない想いを皆に伝えた。


瞳「大野……」


流「裕…大くん…」


祐騎は暫く黙っていたが、やがて根気負けしたように溜め息をつきながら腰についてたポーチから銃を取り出した。


祐「…これはコルトパイソンだ。これなら、強力だからかなりのダメージを与えられるだろう」


裕「えっ?」


裕大は驚いた。


絶対反対されると思ったからだ。


裕「ったく…ガキのくせに大層な事、口走りやがって……。いいか、大野。さっきも言ったがあいつをみみと思うな。思ったその時点でお前の負けだ。後、無理はするな。これで、いつでも私を呼べ。いいな?」


そう銃と弾、予備の通信機を裕大に渡した。


裕「祐騎っち……。ありがとう」


祐「私が先に攻撃する。その隙に全員あの扉まで走れ。宇佐美、悪いが流架を運んでくれないか?私は最後まで援護する」


遊「分かった」


遊志はそう言うと流架を背負った。


流「遊…志くん…ゴメン…ありが…とう」


遊「気にすんな。俺は借りは返す主義なんだ」


祐「よし…じゃあ、3つ数えたら行くぞ…」


祐騎の言葉に皆は頷いた。

祐「1…2…3!走れ!」


一斉に瞳達は走った。