J「懐かしいね。あの時、君達は17歳だっけ?もう5年経ったけど…随分S.Dに馴染んでるみたいじゃないか」


祐「あぁ……てめぇが“失敗作”を私達の中に投与してくれたお陰でここまで生き延べられたぜ」


馬鹿にしたように笑いながら言うとJは黙った。


祐「本当の事だろ?J。私達の中にある抗体は副作用が強すぎるし…今、世界がこんな事になってる所を見ると…抗体はまだ出来てねぇんじゃねぇの?」


J「……相変わらず減らず口が絶えないね、祐騎」


明らかにさっきより、声のトーンが低くなっている。

祐「へぇ?てめぇに怒りの感情があるなんて意外だったな」


J「クス……まぁ、いいや。君達には協力して貰ったし……」


また薄ら笑いで楽しそうに話始めた。


流「協力?」


J「そう…ずーっと探していた“エンジェル”と“デビル”を連れてきてくれたからね」


遊「エンジェルとデビル…?」


意味が分からない。


そんな名前の仲間は居るわけないし、Jがそのよく分からない誰かを探していた理由も分からなかった。


J「この事件は人為的に起こした事件なんだよ。本当は日本だけ滅茶苦茶にしてやろうと思ってたんだけど…ウィルスだと上手くいかなくてね」


溜め息をつきながら話すJ。


J「確かに…俺は副作用のない抗体を作る事は出来なかった……。それにキメラウィルスと遺伝子操作で強靭になれるのには限界があって、体が強くないとダメだからね。だから、ある人達に協力して貰ったんだ」


まるで幼い子供に言い聞かせるかのように語るJ。


J「そして…ウィルスを死滅させる為の完璧な抗体と完璧なウィルスや寄生虫の宿主になれる抗体が出来た。その内、死滅させられる方の抗体を“エンジェル”。宿主になれる方の抗体を“デビル”と名付けた……。ずっと、この計画の事は秘密に協力させてたんだけどばれて…2人協力者が居てその2つ抗体と資料を持って逃げられて抗体を隠されたんだ。そして、抗体の隠し場この事態を把握した2人は自分達の子供の中に抗体を打ち込んだ」


祐「まさか!?」


笑いながらJはとんでもない一言を口にした。


J「そう…エンジェルは君だよ…。佐野 瞳さん」