Jはきょとんとしてる。


涼「そんな事止めろよ!」

キッとJを睨み付けた。


それでも、Jの薄ら笑いは消えない。


それが更に俺を苛立たせた。


涼「みみちゃんが…みみちゃんが今までどんな思いで過ごしてたか分かってるのか!?キメラウィルスだかなんだか知らねぇけど…化物の数だけ人を不幸にしてるんだぞ!」


化物の数だけ沢山の人間が実験台にされたり、食われたりしてる。


それを考えると今まで自分の命を守るためにとはいえやってきた事ですら寒気がした。


必死に言ったが…


J「さぁね、知らないよ。この子がどんな思いしてるかなんて」


と軽くかわされた。


涼「てめぇ…!」


J「第一…君よくそんな事、言えたね?」


Jが意味ありげな言葉を言った。


涼「なん…だと?」


J「だってさ…、君達自分の命を守るためにこの子置いてったんでしょ?」


そう足でみみちゃんの肩を軽く蹴る。


J「見捨てといて人の気持ち考えろ?それの方が人の気持ち考えてないんじゃないの?」


涼「!?」


ギリッ…


自然と拳と歯に力が入る。

J「クスクス…本当はどうでもいいんじゃないの?自分が生き残れればそれで―……」


涼「黙れ!!」


俺は自分の声の低さと大きさにこんな声が出るのかと自分で驚いた。


涼「人の気持ちを考えてないだと!?ふざけんなよ!ガキみたいにへらへら笑いやがって!!みみちゃんを置いてかなければならなくなった時……どれだけ俺等がきつかったか……どれだけ…大野が辛かったか!分かってるのか!今すぐみみちゃんを元に戻せ!」


怒鳴り過ぎて息が乱れた。