してないのに…連れてこられた……?


絶対に何かある……。


よくない事が……。


み「分かった……。アンタが連れてこられ…たのには…きっと理由がある…と思うの……。僕のように感染してる…わけじゃ…ないから…。どっちにしたって…ここに居て…良い事なんか…ない。とにかく…脱出しよ…う…」


顔に汗が浮かんでる。


今も、必死に押さえているようだ。


涼「えっ?でも、どうやって?」


檻には南京錠がかけられてるし、みみと涼の間には鉄格子がある。


み「ハァ……ご丁寧に…僕の体を…強化してくれ…たから…このぐらいの鉄格子なら…壊せると思う……」

そう言うとフラフラしながら鉄格子を握った。


右肩から右の手にかけて少し突起のような物があるのと爪が異常にのびてる。


ウィルスの影響だろう。


み「くっ……」


ググッ…グニャッ!


鉄格子が針金のように曲がった。


み「急…いで…。僕には…時間がないの……ハァ…」

左手で頭をかかえる。


涼「だ…だけどばれるんじゃ?」


み「ハァ…それくらいどうって事…ないわよ……。とにかく…急いで……。僕が…僕で…ある内に……」


薄々気付いていた。


自我が保てなくなってきてる事に。


だから、自分が消える前に涼を逃がそうとしたのだ。