裕「な…んで……」


瞳「嘘…でしょ!?なんでみみが…!」


?「教えてあげよっか?」

遊「!?」


姿はないが声が聞こえる。

アナウンスで話してるみたいだ。


その声は若い男の声だった。


流「…?」


(この声……。何処かで…)

聞き覚えのある声だった。

?「ふふ……。それにしても君達は頭が良いね。噛まれたら感染する事が分かっちゃったんだから。だから、この子を置いてったんでしょ?」


裕「!!」


裕大が眉をひそめた。


“置いてった”と言う表現が心に来たのだ。


遊「だったらなんだって言うんだ!俺がそう言ったんだ!」


キッと何処に居るか分からない相手に対して睨み付ける。


?「なるほどね。君は特に頭が良いからね、宇佐美 遊志くん」


遊「なっ!?なんで、俺の名前を!?」


?「皆、分かってるよ。S.Dのお二人さんの事もね」


祐「なんだと!?」


?「クスクス……。あぁ、そういえば裕大くんはその子の恋人だっけ?どう?恋人が化物になった感想は?」


裕「!!」


?「あぁ、ゾンビみたいに腐敗してるわけじゃないからまだ良かったかな?」


裕「てめぇ…!」


裕大は歯ぎしりをした。


瞳「一体みみに何をしたの!?」


?「クス…佐野 瞳さん。君の事もよーく知ってるよ……」


瞳「えっ?」


?「まぁ、いいや。教えてあげるよ。その子にはね、死体をすらゾンビにさせる程、強い“キメラウィルス”を投与したんだよ」


流「キメラ…ウィルス!?」

?「そう。まぁ、その子の場合…もう感染してたけどね」


男はクスクス笑いながら説明し始めた。