もうあれから随分経っている。


なんで、ウチだけ拐われなかったのだろう……。


ウチに抗体があるのだからウチを拉致るのが普通なのに……。


いくら考えても答えは出ない。


お願い無事で居て……。


そんなウチに夕花が「だっ、大丈夫だよ!伊坂くん、案外強いし!それに、もし捕まってても今、脱出してるかもしれないじゃん!ねっ!?」と言ってくれた。


瞳「夕花……」


裕「そうだぜ、瞳ちゃん!」


裕大も口を開いた。


裕「涼ちゃんは、そんな柔な男じゃねぇよ!」


遊「確かに…ちょっとなよっちぃけど…お前を置いてったりしないと思うぜ?」


流「そうだよ!好きな人に辛い思いをさせないのが男だよ」


瞳「皆……」


祐「そうだな……。こいつらの言う通りだ。迎えに行くのにお前がそんな顔してたら駄目だろ?だから、元気だせ」


ポンッと頭を撫でられた。

瞳「はいっ!」


ウチは少しだけ笑った。


そうだよね……。


ウチが暗い顔したらダメだ。


瞳「皆ありがとう」


夕「どーいたしましてっ♪」


遊「よし、じゃあ先に進もう」


瞳「うん!」


こうして扉の向こうに進んだ。


その先にあんな事が待ってるなんてこの時、誰も想像すらしていなかった。