み「確かにそうかもしれないけど……。よく思い出してみて……沙紀が死んだ時の事……」


涼「熊坂さん……が?」


沙紀は、腹部を刺されて死んだ。


正直あまり思い出したい物じゃない。


み「おかしいと思わない?なんで、沙紀だけ殺されたの……?」


瞳「あっ……」


淳「でも、偶然かもしれ―……」


み「だったらなんで僕等は無傷なの?最初だって、そうだ……。真っ先に狙われたのは……沙紀だった」


遊「確かに……俺は少し怪我したが……沙紀は毎回狙われてた……?」


み「そう……。あの化物が沙紀だけを狙う理由はない。あいつらにあるのは自分の猟奇的な欲望を満たす事しかない……。そんな、奴等が狙ってのなら……裏に誰かが居たとしか考えられない」


涼「でも、あいつらに知性があるとは思えないけど……」


み「そこは分からないけど……」


瞳「じゃあ、沙紀は……意図的に…殺されたって事……?」


みみが静かに頷いた。


そんな……沙紀が何をしたっていうの。


宏之が聞いたら……


悲しむだろうな……


夕「なんで?なんで、沙紀が……」


遊「そうか……。あいつ、最初に…犯人らしき人物を目撃したから…!」


み「そう……。だからきっと、殺されたんだと思う。そして、それを聞いていたのは僕等だけ……」


涼「だから、スパイが居ると思ったのか……」


み「うん……」


淳「………」


遊「正論だな……。確かに、おかしな部分は沢山ある……。堀北。良かったら、お前の分かる範囲で良いからそのウィルス組織について教えてくれないか?」


淳「! 兄さん。危険だよ。本当にスパイが居るんなら、そんな事聞いたら……」


淳志が遊志の方を向くと小石が転がった。


その瞬間だった。


「シャアアア!」


「!!」


裕大の後ろに化物が居た。