裕「ハァ…ハァ…。よし……。ここまでくりゃあ大丈夫だろ」


少し走った所で裕大は止まった。


裕「みみ 大丈夫か?」


み「あっ……。うん……」

裕「なら良かった」


み「……なんで?」


僕なんかの為に……


僕がそう聞くと裕大は「……大切だから」と言った。


み「えっ……」


裕「みみが大切だから」


裕大はそう言うと笑った。

そうだ……


いつも、この笑顔に救われていた。


裕「それに、俺はみみを疑ってなんかいないよ?たとえ皆が信じなくたって……俺はお前を信じる」


み「……聞いてたんだね」

裕「うん……。盗み聞きするつもりはなかったんだけどさ……」


み「……僕ね」


裕「うん?」


みみが静かに話始めた。


み「裕大には……生きて欲しかったから……だから……銃の扱いを教えたんだ……。他の皆がどうでも良かったわけじゃない。だけど……。1番裕大に生き延びて欲しかったから……。勝手な事してゴメン………。僕のせいで……巻き込んじゃって……」


教えたせいで裕大まで、疑われてしまった。


裕「そんな事ないよ。みみに教えて貰ったから俺…こうして生きてられてるし。だから……頼むからさ、巻き込んだとか……自分1人で背負い込むなよ。俺を……頼れよ」


み「!!!」


なんで、そんな事言ってくれるんだろう……


僕は……逃げてたのに…。

ずっと……


み「裕大……」


相変わらずの笑顔で裕大は僕を見た。


だったら……


僕は………


遊「大野ー!堀北ー!待てー!」


遊志達が走ってきた。


裕「! ちっ、早いな!みみ、行こう……」


み「……待って」


裕「? みみ?」


み「僕……皆に話す……」

逃げないで話そう。


僕はそう決心した。