―1時間後―


辺りは寝息しか、聞こえない。


その中に起きてる人物が居た。


遊志が静かに目を開けた。

回りを見ると、そこに居る筈の人物が1人居ない。


やっぱり……


俺は、ゆっくりと立ち上がって、穴の方に近づいた。

すると、静夜の街の中に声が聞こえた。


?「……なんとなくだけど、分かった。後は………その証拠を……。うん。了解」


ピッと機械音がした。


遊「そんな所で何をしてるんだ? 堀北!」


み「!!!」


俺が、声をかけると堀北は通信機を隠しながらこっちを向いた。


み「う……宇佐美……」


遊「今、話をしてたのは……誰だ?」


み「……なんの事?」


堀北が笑いながら聞いた。

遊「惚けんな。今、誰かと話してたろ?」


み「な…何を言ってるか分からないな…」


遊「じゃあ、なんで持ち場に居なかった?」


み「そ……それは、トイレに―……」


遊「だったら、聞くが……その左のポケットにあるのはなんだ?」


俺は、異様に膨らんだパーカーの左ポケットを指差した。


み「!! こ……これは銃……」


遊「嘘だな。お前は、普段から銃を右手、右側に持つ癖がある!何回も見たから分かってる!」


み「!! じ…銃を撃つ時に右手なのは右利きだから……」


遊「それに……俺は飛行機でお前が誰かと連絡を取っていたのを聞いてた!それが、何よりの証拠だ!」


み「!!」



堀北が軽く歯ぎしりをした。


遊「……今、左ポケットに入ってるのは通信機だな?その通信機で、誰と何を話していたのかを洗いざらい……」


カチャッ


遊「!!」


堀北が俺に、銃を向けた。