涼が言ったように奴らは音に反応してるみたいだ。



下の階から悲鳴が聞こえる。



移動しながら、瞳は涼にトイレで起きた出来事を話した。



涼「そっか…。じゃあ、噛まれない方が良いかもしれない」



涼は少し考えてからそう答えた。




瞳「えっ、なんで?」



ウチは分からなかったので聞いてみた。



涼「えっとさ、さっきの…その首を喰い千切られた方の女の子は化物…まぁ『ゾンビ』に噛まれたらあぁなってたんだよね?床に倒れてる子はよく分からないけどその場合死体が動く事なんかありえないからやっぱり噛まれた事が原因と考えた方が良いと思ったんだよ」



…と詳しく説明してくれた。




瞳「あっ、そっか。そうだよね…。じゃあ、ウチらも?」




涼「うん。あぁなっちゃうかもしれない…あっ、ちょっと待って」




涼が立ち止まりロッカーの中からほうきを2つ取り出した。その内、1つをウチに渡す。




涼「護身用。ないよりあった方がいいから」




瞳「ありがとう。」



涼「コレでやられてくれるかは謎だけど…素手じゃ、噛まれそうだからね」




確かに。てか、あんな恐い化物に殴る勇気なんか…




瞳「あっ!」



大きな声を出してしまい「シー」と注意される。




あっ、そうだ。奴ら音に反応すんだった…。




ウチは小声で話を続けた。


瞳「富恵とみみ…トイレであいつを蹴飛ばしたんだけど…大丈夫かな?」




噛まれるのも駄目なら触るのはよくないだろう。



涼「あー…どうだろ…。でも、みみ…ちゃん?はともかく富恵はしつこそうだから大丈夫だよ」




と言った。