瞳「なんで死体が動いてるの…!?」




その声に反応するかのように2人はこっちを向いた。相変わらず焦点が合ってない。その顔がこちらを向く。恐怖が広がる。



「きゃあああ!」
「うわぁぁぁ!」
「化物ー!」
「いやぁぁ!」




皆が一斉に蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。




一気に来る人の波にウチ達は巻き込まれて離ればなれになった。




瞳「沙紀!富恵!みみ!」



必死に手を伸ばし皆の名前を呼ぶが人の波に流されて届かない。




瞳「ちょっ…どいて…どいて下さい!」




だが、皆は恐怖でパニック状態だから誰も聞かない。



瞳「いたっ…!」




本当…どうし…




ガシッ!



腕をおもいっきり引っ張られてウチは人の波から抜け出せた。そのまま、物陰に隠れた。




手を引っ張ってる相手を見る。




瞳「涼くん!?」




そこには涼が。




涼「大丈夫!?」




瞳「あっ、うん。」




涼「なら良かった。」




涼は安心したように笑った。




瞳「…あっ!さっきの化物は…」




ウチは回りをキョロキョロさせた。さっきあれだけ近くに居たのだ。



涼「大丈夫。さっきの人混みの方を追いかけて行った。もしかしてだけど…音に反応してんのかもしれない。」




瞳「あっ、なるほど…。これからどうする?」




涼「とりあえず…進もう。ここに居ても危険なだけだ」



ウチと涼は立ち上がって道を見た。




ここから瞳と涼のサバイバル生活が始まった…