俺は耳を澄ませた。



…誰と話してる……?



翼さんは運転中だし、涼なら涼の声も聞こえるだろう…



となると…



電話か…?



いや、確か飛行機で携帯は使えないはずだ…




だったら…通信機……?




なんでそんなもん……




俺が考え事をしてると堀北はまた話始めた。



み「……そんな事より、そっちは?………そう。なら、あまり時間はないね…」




時間がない…?



なんの事だ。



み「…こっちは大丈夫。作戦なら順調……。事はうまく運んでる」




作戦……?




み「とにかく……僕は、うまくやってるから……。えっ?…うん。……うん。……」



……なんの話だ……



全く読めない。




作戦?



時間がない?




なんの……?




み「………了解。なんとかする……。じゃあ、また連絡する」




ピッと機械音がした。



コツコツと足音が近付いてくる。




―ヤッベ!




俺は咄嗟にドアを開けた。