涼「翼さん。入っても平気ですか?」



翼「あぁ、いいよ。えっと君は……」



涼「あっと…俺は伊坂 涼です」



翼「そうか。涼くんだね?…とりあえず隣に座って貰っていいかな?」



涼「えっ…いいんっすか?俺が座っても…」



翼「アハハ。いいよ。ただ、そこらへんの機械には触らないでくれよ?落ちるから」



涼「も…もちろんです」



そう俺はコックピットの操縦席の隣に座った。



わー…やっぱ男なら1回は憧れるよなー…



うん…カッコイイ



翼「…さっきはすまない…」


涼「へっ?」


1人で浮かれていたら翼さんが謝ってきた。



翼「いやさっきお友達が1人………」




涼「あぁ…」



富恵……



俺は悲しみをぐっと堪えて言った。




涼「……翼さんが謝る…必要はないですよ」



翼「しかし…俺は大人なのに…君達子供を守ってやれなかった…」



涼「…そんな事ありませんよ。こうしてアメリカまで連れてって貰えるだけで助かってますし」



翼「だが……」



涼「さっき外に飛び出してったのは富恵です。富恵 宏之。あいつ……空港に行くまでに…好きだった女の子を亡くしてしまったんです…。自分が守るって言ったのに守れなかった……その子が死んだのは自分のせいだって…スゲー泣いてました。あんなあいつを見たのは…初めてでした」



俺は静かに呟いた。