「さーなーちゃん!」
「んみゅ?」
「ぼくね、さなちゃんのことあいちてる!」
「さなも、ゆーがくんのことあいちてる!」



まだ、あたしが保育園に通っていたころ、あたしは意味もよくわからずに「愛してる」と何度も口にした。
あたしと同じ、もも組にいた優雅に対して言うことが日課になっていた。

でも、小学校に入学する前に優雅は引っ越してしまった……。あたしはいっぱい泣いた。毎日毎日泣いた。あたしに「愛してる」と言ってくれる人は、いなくなった。


優雅はあたしに何も言わずにこの場所を去った。どうして何も言ってくれなかったの?なんて、大好きだった人に小さいながらも色々と考えた。

けど、小学校を卒業する頃には、優雅のことなどほとんど忘れていた。だって、もう二度と会うことはないと思っていたから……。