「ちゃんとクッキー持ってきたか~?」
「ん。多分」
手探りで、バッグの中にクッキーの入った袋があるのを、確かめる。
2つ…ある。
恐らく、飲み物を取りに行ったであろう竜太は帰ってくると
机にコップを置いて、真っ先にあたしの前にくる。
でも、竜太は何も言わなくて。
仕方なくこちらから切り出すことにした。
「…何?」
「んもー意地悪いな~!
愛結ちんは。
ちょーだい?プレゼント!」
竜太はものすごく期待した目で、あたしを見つめる。
そんな期待されても……
唇をキュッと噛んで。
「はい。
期待するようなモンじゃないけど」
あたしは、クッキーの入った袋を竜太に渡す。


