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「はいっ!
お誕生日おめでとう!!」
「え…
クッキー……?」
「うん!
手作りだよ!」
「あ、ありがと……」
この時なんで気付かなかったんだろう。
その友達の、戸惑ったような表情。
「あっちょっとトイレ貸して?」
「うん……」
それに気付かない、上機嫌でトイレに向かう小学生のあたし──。
そして、みんなのいるリビングへ戻るとき。
「ねぇ、今時手作りクッキーとかありえる?」
「ヤバいヤバい!」
「あいつマジ馬鹿じゃないっ!?」
突如聞こえてきた、誰かを罵倒する声。
え……?
何──?
「──ホント。
愛結ってうざい」
目の前が真っ暗になった。
──やだ。
ヤだ!!
助けて……!!!


