「ん? んーと、使いかけの消しゴムにシャーペン、定規にメモ帳 お弁当のおかずとか?」 指を折って数えながら話す竜太。 「………。」 「あっ玉子焼き美味かったよ!!」 思い出すように付け加える。 …哀れな奴。 っていうか納得なのかよ。 …うん。 そんな手軽ですむなら、何か持ってるもんあげて はい、終わり。にしたいけど 生憎、今日は何も持ち合わせていない。 お弁当も全て平らげてしまった。 「…家に忘れた」 苦肉の策としてあたしが使ったのは、嘘という大胆で最も皆に馴染んでいるものだった。