先生は私の青春でした

クラブに行く前に、担任の先生に呼び出された。


「さくら、なんかあったの?」

「なんで?何にもないよ」


先生には言いたくなくて、とっさに隠してしまった。

先生も、私が泣いていたのを知っていて呼び出したんだと思う。


でも、先生は私に泣いた理由を聞いたりしなかった。

「そっか。だったらいいんだけど…。最近無理してるように見えたから。
演奏会も近いのに、クラスの事もやらなくちゃいけなくて大変でしょ?
最近様子おかしかったし、さくらの事気になってたんだ。」


先生の言葉にまた泣いてしまった。


正直、私は担任の先生が嫌いだった。


いつも反抗していたし、私自身先生に嫌われていると思っていた。


(先生、さくらのことなんてどうでも良いと思ってた…。気にしてくれてたの?)


「なんか、一人で抱え込んでいっぱいいっぱいになっちゃった」


私がそういうと、先生は優しく私の手を握ってくれた。


「さくらは一人で頑張りすぎだよ。もっと人に頼っても良いんだからね。
今クラスのみんなは文化祭でいっぱいいっぱいだから、クラブもあるさくらには辛いよね」