モラトリアム

というか、

待っている彼女以外、
興味が無いんだ。


「そっかぁ……」


目が合うたび、
逸らしていたアタシが急に恥ずかしく思えてきた。

勘違いもいいとこ。

「でも、彼女、なんでこんなに来ないの?もしかして、フラれてるんじゃないのぉ?」


恥ずかしさと、
少し歯がゆい気持ちをかき消すように、

アタシは大声で笑いながら言った。


大声を出したところで、
ここは渋谷。

誰も聞いてやしない。

この大声は、
アタシのために出したようなもの。